2019.09.13 Friday 06:10
最後の言葉
過日、ある檀家のお葬式を営ませて頂いた。行年91才になられるおばあちゃん。私も故人とは幾度となくお会いさせて頂いたが、いつもニコニコされ笑顔の可愛らしい物腰の柔らかいおばあちゃんであった。
息子さん曰く、母は嫁いできてからは家のことや親のこと、畑仕事や内職、子育てと、自分の時間もなく働いていたと話され少し驚いた。
出棺前の最後のお別れの時、息子さんが涙ながらに私にこう教えて下さった。「母は最後にありがとうと言ってくれ、南無妙法蓮華経とお唱えしたんです。」と…
私はその時、故人の人生を見たような気がした。苦労があっても笑顔を絶やさず家族を育み、また感謝の気持ちを忘れない信仰の持ち主だったと。
誰しも亡くなった時にはその人生が顔に表れる… 安らかな故人のお顔と積み重ねてきた信仰。この先、善き世界からきっとご家族を見守ってくださることであろう。南無妙法蓮華経